夢の守り人 [ファンタジー]
『守り人』シリーズ3作目。
故郷カンバル王国での懸案事項に一応の決着をみたバルサは、
幼なじみのタンダに会いに新ヨゴ皇国へと戻る途中で、
人並みはずれた歌を唄う男を助けるハメになる。
一方、眠りに落ちたまま目が覚めない人が続出するという
奇妙な事件がタンダの周囲を含めた新ヨゴ皇国で起きていた。
この作品は、『精霊の〜』で活躍した
タンダやトロガイに焦点が当てられている。
特に、謎の多いトロガイの過去が語られている。
『精霊の〜』では、超然としていた印象の強いトロガイにも
人並みな時代があったというちょっと新鮮な驚き。
そして、あのチャグムも一回り大きくなって帰ってくる。
身体だけでなく、精神もいっそう強くなったチャグムは、
かなり頼もしい少年になっていた。
『精霊の〜』で、気に入った登場人物でもあるタンダが
いろんな意味で痛々しい程の活躍を見せる。
そして、バルサやトロガイとの絆も深く表現される。
タンダが弱気になっているチャグムに語りかける部分が
とても印象に残っている。
ファンタジーの体裁を取っているが、
語っている内容は、普遍的なもので
現代社会にも通じるものがあると感じる作品。
2008/02/21 読始
2008/02/24 読了
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