闇の守り人 [ファンタジー]
「精霊の守り人」に続く2作目は、
主人公バルサの過去に迫る物語。
そして、彼女の育ての親、ジグロの物語でもある。
チャグムを守りきったバルサが、
それをきっかけに決心をして向かった先は
故郷であるカンバル王国。
幼い少女だった自分に降りかかった災難から
逃れるしかなかった故郷へ戻った理由は何なのか?
バルサの不幸の元凶である王の死と共に、
解決したはずだった陰謀のくすぶりが、
彼女の帰国と共に復活の兆しをみせ、
それはある重要な儀式へとつながって行く・・・。
前作で時折話題に登った、育ての親ジグロ。
自分にもバルサにもひたすら厳しかったと思われる彼の
バルサに対する想いがひしひしと伝わってくる。
クライマックスで描かれる「ルイシャ贈りの儀式」での
闇の守り人の真の姿については、
薄々勘づいていたものの驚愕を隠せなかった。
そして「善」の仮面を冠った「悪」の描き方が上手い。
やむを得ない状況での「悪」ではなく、
芯から、自己中心的な「悪」。
彼の存在があってこそジグロとバルサの良さが引き立つ。
あとがきで、「精霊の〜」より「闇の〜」の方が
大人に人気があるというのも、なるほどと頷ける。
子供だけに読ませておくにはもったいない物語だ。
2008/02/15 読始
2008/02/19 読了
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